学部長あいさつ

ケアに必要な「学ぶ」と「思う」

 

宇部フロンティア大学     

人間健康学部長 長坂祐二

 

  保健医療福祉の現場では、ケアを必要とする人のニーズが多様化し、それを支える制度も複雑化しています。そのため、ある人のケアを一つの職種ですべてカバーすることは、今後ますます困難になるとことが予想されます。このような状況に適切に対応できる看護師となるためには、どのような学習態度が必要でしょうか。

  孔子の言葉に「学んで思わざれば、則(すなわ)ち罔(くら)く、思うて学ばざれば、則ち殆(あやう)し」というのがあります。ここでいう「学ぶ」とは「先人が蓄積してきた知識を身に付ける」ことです。「思う」とは、「自分で考える」ということです。看護師になるためには、国家試験に合格するために必要な専門知識を身に付けなければなりません。それは「正解のある問題」に対して、確実に「正解」を出す能力です。この能力を獲得するためには、専門知識をしっかり「学ぶ」ことが大切です。一方、看護実践の現場ではさまざまな状況が複雑に絡み合い、多職種で「正解のない問題」に取り組むことが求められます。その場合、多職種の多様な視点を総合的に検討し、最適な選択をする必要があります。そのためにはケアの対象者の幸福を「思う」能力が必要です。この能力を獲得するためには、専門知識を基盤にしながら、実践的な経験を積み重ねて柔軟な発想力を身に付けることが大切です。それは「あなたらしさ」を確立するプロセスでもあります。孔子は「いくら知識を身に付けていても、自分で考えることをしなければ役に立たない。一方、いくら自分で考えても、知識がなければ危なっかしい」と言っています。ケアの対象者を何とかしてあげたいという「思い」が人一倍あっても、それを実践するために必要な専門知識がなければ、かえって「害」をなす結果になりかねません。看護実践において「学ぶ」ことと「思う」こととは車の両輪であって、いずれか一方が欠けても前に進むことができません。

   本学では、「学ぶ」と「思う」をバランスよく兼ね備えた看護のエキスパートを養成しています。本学でしかできない経験を積み重ねて、「あなたらしい人間力」を身に付け、社会に有為な人材となって羽ばたいてください。

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