研究科長のあいさつ

人間科学研究科(修士課程臨床心理学専攻)は、2004年に地域社会に貢献できる心の専門家の養成を目指して設立されました。それは臨床心理学領域における職業的専門家を、地元で育成し地元に定着させることを切望する地域の期待に応えるものでもありました。

 

その期待に応えるべく「学校教育」、「医療」、「福祉」、「司法・矯正」、「発達障害や子育て支援」「地域支援」等それぞれの領域において実務経験の豊富な教員の指導の下に、生きた理論と大学院附属臨床心理相談センターでの臨床的実践を重視した教育をとおして、臨床心理学の諸技法を修得し、地域に密着した臨床活動が可能な臨床家を輩出してきました。

 

このように社会的ニーズの高まりに応え得る、高度な実践能力を持つ心理臨床のプロを養成するために、開設当初より大学院附属臨床心理相談センターで地域の多くの方々の相談業務に応じてきました。

地域への貢献という意味では、教員を講師として、地域の方々を対象とした講演会を定期的に開催してきました。この講演活動は年齢や職業を超えて好評を博しており、要望に応え今後もさまざまなテーマを設定し継続していきます。

 

これらの日々の活動から、学部で心理学を学び将来臨床心理士になることを目標に進学してくる学生に加え、看護師や教員などそれぞれの領域で就労しておられる社会人の方の進学希望もあります。既に卒業して医療機関や大学等で活躍している社会人入学のOGも多数います。

 

実践的で質の高い臨床心理実務訓練を教育目標としてはおりますが、臨床心理学研究も並行し積極的に取り組んでいます。これまで、APA (American Psychological Association アメリカ心理学会)をはじめ、国内外の心理学関連の学会において教員とともに大学院生が研究を発表した実績もあります。

 

そしてこれからも、教員一同、大学院生とともに地域への貢献をさらに実践していきます。

 

研究科長 髙山智行