学長メッセージ

「人と人をつなぐ人材」を育成する大学

 

宇部フロンティア大学

学長 長坂祐二

 

 多様化、複雑化が進行する現代社会にあって、一つの職種一つの価値観によって成り立ち、完結する職業はありません。どんな仕事であれ、異なる職種異なる価値観を持った人たちとチームを組んで仕事をする機会は、今後ますます増加することが予想されます。そのような時代を生き抜くために求められる人材とはどのような能力を備えた人材でしょうか。

 チームとは、知恵や力を合わせて共通の目的を達成するために共同で仕事をする人たちの集まりのことです。スポーツが好きな人が集まってスポーツを楽しむだけでは単なるグループですが、「試合に勝つ」という共通の目的をもって練習するとチームになります。この場合、チームを構成するメンバーは、スポーツが好きという性質を共有していることから「同質性」を前提としたチームです。現代社会では、多くの職種の人たちがチームを組んで仕事をしていますが、職種により知識、技術、価値観などが大きく異なるために、目的を共有することは困難です。このようなチームは「異質性」を前提にしたチームです。これを乗り越えるためには、「話し合い」が必要になりますが、どうしても知識、技術をたくさん持っている職種の人の意見が強くなります。知識、技術、価値観の違いをお互いに認め合い、尊重して、よりよい解決策を考えだすためには、自分と異なる意見を尊重し、だれもが平等で自由な発言ができる場を確保すること不可欠です。しかし、そのような場を確保することは簡単ではありません。

 大学で学ぶ意義は、「人と触れ合い、交流することを通して人間として成長する」ことにあります。単に必要な知識や技術を身に付けることだけが目的ならば、情報化社会の現代においては一人で学ぶことも可能かもしれません。しかし、同じ目的や価値観を持った人たちがお互いに切磋琢磨し、励まし合いながら学ぶことによって得られる仲間は、知識や技術を身に付けるだけでは得ることができない一生の財産になります。さらに、異なる目的や価値観を持った人たちと交流することは、世界をより広く、より深く理解するきっかけになります。たとえ意見の対立があったとしても、それを乗り越え、お互いに納得できる合意に達するまでのプロセスを経験することで、他者を尊重する気持ちを育むと同時に、自己の新たな存在意義を発見することができます。大学でこのプロセスをたくさん経験して身に付けた能力は、どんな職域であっても、チームのメンバーとして平等で自由な発言ができる場を確保することに貢献することができます。そのような能力こそ、現在社会でもっとも求められている能力ではないでしょうか。

 本学では、「人間性の涵養と実学の重視」という教育理念のもと、授業でも授業以外でも、「礼節・自律・共生」をコンセプトにした幅広い交流の機会を提供しています。本学でしかできない学びを経験することを通して成長し、そして「人と人をつなぐ人材」となって社会に羽ばたきましょう。